ジョルノの時計といっても、いまオークションとかで4倍の価格になってるアレのことではなく、原作でジョルノが着けている時計のお話です。

ジョルノの時計が登場するシーンは次の3つがあります。

1:刑務所で所持品チェックをするさい、カバンの中身を出しているコマ

2:カプリ島に上陸後、どのくらい時間が立ったのか確かめるシーン

3:シルバーチャリオッツ・レクイエムで皆が眠らされた後、ナランチャ(体はジョルノ)が時間を確かめるシーン

1~3に描かれている時計は、いずれもぱっと見、違うデザインのものに見えます。

とくに、2の時計は海の中を泳いで渡ってきたので防水加工でもしなければ止まってしまうはずですが、時計もビニールに入れてきたのか?
重要なのは、「ジョルノが時間をとても気にするキャラ」であることです。

今回は、3の時計について主に書きたいと思います。

荒木先生が非常にわかりやすく描いておられるので、この時計は「ブルガリ」の「ディアゴノ・アルミニウム」という時計とわかります。
98年に出た時計なので、2001年が舞台の5部では比較的新しいモデルです。さすがジョルノ!ちなみに、定価で買うと45万円。しかも文字盤、ベゼルが一部マイナーチェンジされているのでジョルノとお揃いを買おうと思ったら中古を探すしかありません。

問題は、この時計に表示されている「日付」です。

実は私も同じものを持っているので確かめてみたのですが、3時の位置にある数字はその日の日付を表しています。今日の日付は8日なので、「8」をさしています。

ジョルノ(ナランチャ)のコマでは、その数字が「6」となっています。
つまり、あの日は「春」の季節の「6日」だったということになるのです。

ローマの気候は東京とほぼ同じくらい(3月では寒すぎる)」「ジョルノの誕生日は4月16日(5月ではジョルノが16歳になっている)」、ということから、4月6日と考えていいと思います。イタリアの新学期は日本と違って9月中旬からなので、ジョルノが中等部という設定にも齟齬はありません。>>参考リンク「日本とは大きく違うイタリアの学校制度」

ですがここで、ディアボロが検死されているシーンの問題が出てきます。「医師」のモニカ・ユルテッロが「3月25日」「死後48~54時間」と言っています。本格ミステリーでは、「医師の検死は絶対」とされていたりするのでほぼ確定であの日の日付は3月23日のはずです。何故、ジョルノの時計は6日を刻んでいたのでしょうか?

なけなしの頭で2つの説をおっ立ててみました。

その1:ディアボロの検死は「すでに繰り返している死」のうちのひとつで、本来の日付ではない。

GERが与えた永遠に繰り返す死は、ディアボロの意識が戻らない状態で殺された場合本人には認識されません。そうして何度も殺されているうち、目が覚めたのがあの検死のシーン?

もしくは、無意識のうちに彼の「キング・クリムゾン」が抵抗し、「殺害される過程」をすっ飛ばして結果(死)だけを受け入れてしまった場合も同じことが発生するかもしれません。

その2:ジョルノの時計が狂っていた可能性

このカジュアルでほどよく品があるかわいい時計は、じつはメンズとボーイズ、レディースで違いがあります。メンズは自動巻、レディースとボーイズは電池式なのです。

ジョルノの手首がどれほどのサイズなのかわかりませんが、メンズサイズは腕周りが17cm~、時計のフェイスサイズも4.4cmとかなり大振りです。
いっぽう、ボーイズサイズはフェイスサイズ3.2cmとやや小振りになります。

参考: メンズ   ボーイズ

「ボーイズ」のほうで男性が着用している画像を参考にしても、おそらく彼が着けているものはボーイズサイズであることが推測できます。まあ、年齢的にもボーイズですもんね!余り年齢は関係ないですが笑

ということは、ジョルノの時計は電池式です。ちなみに、セイコーから出ているジョルノモデルも電池式ですがあちらは日光で動くもので、ブルガリのほうはバッテリーで動きます。

では、その時計はいつからジョルノの腕に着いているものなのか?

ノトーリアス戦で、ジョルノは自分の両腕を切り落としてしまいました。右腕はスタンドに食われ、時計をしていた左腕は飛行機の外。
まさか、あの切迫した状況でわざわざ時計を外したりする余裕はないでしょうから、アルミニウムを手に入れたのはサルディニア上陸以降ということになります。

ドッピオがリゾットと死闘を繰り広げる前、ジョルノは新しい時計を手に入れました、という推測もできるわけです。

でも、ここで問題があります。
はたして、サルディニアにブルガリの直営店が存在するのだろうか?
BVLGARIの店舗検索で調べてみたところ、「コスタ・ズメラルダ」のある「オルビア州」にもショップが存在するようです。というか、至る所にあります。さすがはブルガリ。
ちなみに、ネアポリスにもあほみたいにあります笑

荒木先生は「kotoba」のインタビューで「かなり正確に市街地の様子を描いた」と仰っていたので、いい加減な地理ではないと思います。
とはいえ、店舗は市街地のど真ん中(余談ですが『ティツィアーノ通り』というステキな通りがあります)。片道24km、30分ですのでもしかしたら行ったかもしれない可能性がありますが、ボスの正体を知るため急いでいる道中そんな余裕があったかどうか疑問です。

皆を労うためにブチャラティがあえて休息を取る、という選択をすればまあ、ありなんですが(ここ二次創作のしどころですよ)。

ということは、ジョルノの時計は正規店で購入できたものではない可能性があります。
ジョルノの性格的にも、時計はあったほうがいいという考えだったのでしょう。
このモデルに決めたのは単純にジョルノの趣味だったからかな?
とにかく、購入する際に「とりあえず電池が動いて」「時間が正確」ならば「ベネ!」という方向で買えば、日付を調整しなくても構わなかった、というわけです。

どっちにも考察できるところが面白いなーと思いますが、個人的に「ジョルノの時計は腕を失ったジョルノをねぎらってブチャラティが買ってあげた」だとちょっといいなって思いました。そっちだったら、メンズサイズのほうが理想なんですけどね。ずっと腕に着けてないと時間がくるってしまうので!
実際、サルディーニャ以降ジョルノの左腕は無傷に近い状態です。右腕はディアボロに吹っ飛ばされたりしてましたが。

♡おまけ:その他のキャラクターの時計

・フーゴ
フーゴにも時計の描写があります。
最初は、「カルティエ」の「パシャC」のグリッドが入ってるやつかな?と思っていたんですが。
よく見るとリューズが12時の方向に着いてます。
そんな時計あるんかと調べたところ、有名なところでは「ガガミラノ」の時計がそうですが、文字盤のデザインは全然ちがうのでこちらではないようです。
荒木先生のことなので、適当には描かれていないと思いますのでまだまだ特定の旅は続きます。

・ブチャラティ
ペリーコロさんと待ち合わせる際に時計を見ているシーンがあります。
残念ながら、ブチャラティの時計の描写があるコマはここだけです。
形状と、「ジョルノと対になるようにデザインされた」という前提で、これもまた「ブルガリ」の「ブルガリブルガリ」かな?と勝手に決めつけてみました。商品の通称もBBだしね!こういう妄想が楽しいんだよね!!\(^o^)/

余談ですが、ブチャラティが隠したポルポの隠し財産にも、ブルガリのジュエリーが数点見られます。「ドッピオバチュラートリング」「トゥボガスバングル」などです。イタリアのギャングだからイタリアのブランドを大事にするってちょっと良い。