このたび、お声がけをいただきまして、コミックライド様にて
「無能は不要と言われ『時計使い』の僕は職人ギルドから追い出されるも、ダンジョンの深部で真の力に覚醒する」原作:桜霧琥珀先生 イラスト:福きつね先生
連載中です!

まさか自分が商業媒体で連載をさせていただけることになるなんて、1年前の自分に言っても信じなかったと思います。様々なご縁があって現在のかたちになりました。

『時計使い』という作品について。

マイクロマガジンの担当さんから、小説作品のコミカライズをやってみませんかというお話をいただいた時、真っ先に想像したのは「今流行りの悪役令嬢かな?」でした。

というのも、私の二次創作のメイン活動ジャンルは刀剣乱舞で、バリバリの女性向け。女性向けコミカライズならもう悪役令嬢しかないだろうと思っていました。

そんな折、担当さんが候補で1作品、なろう小説のリンクを貼って送ってくれました。

その作品が、「無能は不要と言われ『時計使い』の僕は職人ギルドから追い出されるも、ダンジョンの深部で真の力に覚醒する-仕事が回らないから戻れと言われても今更もう遅い、SSS級冒険者として自由に生きていきます-」

『時計使い』でした。

男性向けの作品をご提案いただくとは思っていなくて、「悪役令嬢とかじゃないんですか!?」と聞いたら担当さんはひとこと

担当さん「ドレスとかありますよ」

私「無理です」

そう、活動ジャンルは女性向けでも私が描いていたのは推しキャラのバトル漫画だったので、内容が純粋な女性向けではなかったのでした。

思い返せば令嬢漫画はドレスに加え豪華な建物、無限に楕円の変形しなければならないアフタヌーンティーやティーセット、随時きらめかないと首を絞めて殺されるレベルのイケメン、描いてないものばっかりでした。納得です。

で、早速送っていただいた小説のリンクから読んでみます。

主人公はこの「シクロ」という男の子なんだな。

時計のお仕事してる!私も時計、好きです!!と、読み進めていたところ、名前を二度見するキャラクター登場。

イッケーメン伯爵。

イッケーメン伯爵…

シリアスな流れでいきなり彗星の如く登場するその名の通りイケメンの伯爵。



後ろにちらっといる彼がそうです。物語の良心です。

そして右の黒髪の男、彼の名前も「ブジン=ボージャック」

傍若無人・・・・・・・・・・

ここまでくると他の名前の元ネタを探さずにはいられませんでした。

まだ何人かおりますので、ぜひ原作でご確認ください。

そんなドラゴンボールのようなネタを仕込まれて、もうこの段階で「時計使い」が大好きになってしまいました。

なろうの小説を最初から通しで読むのは、恥ずかしながら実は初めてでした。

以前アシスタントをさせていただいていた作品で原作を読むことはありましたが、必要な場面の情報を入れる、というかんじだったので。

「時計使い」の原作のお話はとても面白く、最初から最後までほぼ一気読みしてしまいました。

主人公のシクロくんをはじめ、登場人物がみんな魅力的で、メインの女の子たち(ミスト、アリス、カリムさん)が全員それぞれ良いキャラなのです。シクロくんとメインヒロイン・ミストちゃんとの関係もとても応援したくなります。もう読んでて何回「天使かな?」って思ったかわかりません!

そしてところどころ、シクロくんのセリフが心を打ちました。

正直なところを言えば、なろうの主人公ってどっちかと言えば斜に構えているクールなキャラとか、追放されてもすぐすごい力を手に入れて無双するタイプが多いのかな、と感じていました。

しかしシクロくんはそうではありませんでした。

最初から強かったわけではなく、絶望し、極限の果てに覚醒し、しかしそれはまだキッカケに過ぎず、さらに努力して強くなります。

そしてその先も、強くなるだけではなく人間的にも成長していきます。けしてひとりよがりではなく、周囲の仲間たちに時に助けられながら。

強さや弱さ、善い部分悪い部分、すべてを内包して存在していていいんだ、それが人間というものなんだ。「時計使い」のテーマの一つに私はそのメッセージを感じました。

しかし!

そんなメッセージをお届けできるのはなろう掲載中の原作の本当に最後の方なのです。

ですので、ぜひ、そこまで描き切りたいと思っております。

「時計使い」コミカライズを応援していただけるととても嬉しいです!

原作小説も現在2巻まで発売中&なろうで続きが連載されております。面白いので是非!!