最近、「こういうことがあったから同人やめました」っていう話題を散見してて、私の場合は逆で、同人活動がやめられない話です。(やめたいわけじゃないけど)ただの自分語りですからお暇な時にでもどうぞ。

 

10年以上前に飛び込んだジャンルは「幻想水滸伝3」でした。
はじめてのジャンルなので、もちろん友達はいません。当時からジャンル関係なくつきあえる友人たちがいて、本当によかったと思います。
ただ、好きになったカップリングがそこそこにメジャーで同好の人たちにすぐ会えたのと、みんないい人たちだったのがよかったです。当時はSNSはなくサイトが主流だったので、同人誌を出しつつサイトでSSとかもバンバン更新して、掲示板や拍手などで感想を言い合い、イベントで会ってまたそれぞれの作品の話で盛り上がる、というかんじでした。本当に楽しかったです。
しかし、住んでいる地域が四国のど田舎だったので、単純に交通費と時間がとてもかかります。まず金銭面でダメージです。
一時期、関東に住んでいたこともありましたが、そのときは「一日で行って帰ってこられるなんて、なんて関東って素晴らしいんだ」と本気で感動しました。
で、それでもイベントに出るのは楽しいし、同人誌を出すのが楽しかったので、「必ず新刊を出す」という苦肉の策を見いだしました。
「新刊を出せば出すほど赤字なのでは」と思われる方もいると思いますが、個人的には既刊のみでしのぐよりも新刊を毎回出すほうが「あのサークルは毎回新刊がある」と思ってもらえてベネです。

 

さらに、ANAマイレージクラブに入会して、より効率的にマイルを貯める方法をものスゴく調べたりもしました。
(有料会員になって、すべてをカード払いにすると結構貯まります)
ひどいときには月に大阪に1回、東京に1回を毎シーズン繰り返していて、同居していた親にキレられたことなどもありました…たしかに、年頃の娘が趣味のみに没頭してたら親としては心配ですよね。これはとても反省しています。

そしてやっぱり、当時(10年くらい前)を思い出すと、ほんと、「ああ、漫画も絵も下手だったなあ・・・」という感想しかないです。どのくらいかというと、とらのあなや快適本屋さんの審査に落ちまくってました。
そんな中審査を通してくれたK-BOOKSやいまはなきリブレットには感謝しかないです。

 

そんな感じで2009年まで活動を続け、SNSの登場です。
最初はTwitterの使い方をよく理解してなくて、相互フォローになった相手にいちいちDMでお礼を送るというとんでもなく重いことをしてましたが笑 pixivもはじめてみて、「こんなに一度にジャンル作品をサイトをまわらずに見ることができるのか」とビックリしました。
同時に、サイトでは不過視だったことが可視化されるようになります。
数で見えてくる自分の評価や、好きなカップリングの絶対数です。

これには一時期、本当に、本当に悩まされました。
私が当時好きだったカップリングは、「原作で接点があるのにマイナー」という、カップリング名でTL検索をすれば「AB何で少ないの?」みたいな心ないツイートばかりが引っかかって描き手がキズつくといういわゆるそういうカップリングでした。
私もまだ未熟だったので、キャラがかぶってるメジャーなカップリングに少しでも負けたくない、とものすごく必死に本を出しました。今思えば、勝ちも負けもないと思うんですが。

そのとき経験して思いましたが、「負けたくない」という気持で行動すると、結果にはそこそこ結びつきますが、心が摩耗するのです。
もし、あのとき、純粋に「好き」という気持ちだけで作品が描けていたら、もっと違うものが見えていたのかもしれない…と思います。

女性向けではこのようにビターな思い出がありますが、同時期にはじめた男性向けジャンルでは百合にも目覚め、楽しく活動できました。

そして2011年、ペルソナ2と運命の再会(大げさ)を果たし、LPのすべてを使って原稿を執筆する日々の始まりです。
当時の私のアレっぷりは旧サイトのP2ログなどを見て頂ければと思いますが、頭も手もフル回転して、とにかく達淳が好きで淳ちゃんが好きすぎて、頭のタガが外れていたとはああいう状態を言うのかもしれません。
達淳では以前の「負けたくないから頑張るモード」は発動しませんでしたが、かわりに別の失敗をしてしまいました。

それは、「Twitterと脳が直結し過ぎてるツイートし過ぎてた問題」

炎上するような規模ではないですが、このことで、何人かの方々を不快にさせてしまったことがあり、今思えば反省とともに蘇る苦い思い出です。親友にもしかられました。

ちなみにこの頃は関東に住んでいたため、交通費をさほど気にする事なくイベントに参加できたことから、4ジャンルをまたいで活動とかしてて、月に新刊4冊とか出してました。
とらのあなの「このサークルの本」の数がえらいことになってた。

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原稿を描くのは大変でしたが、それでも本ができる喜びにはかえられなかった…しかし、そのうち、「イベントがあるから本を出す」という、なかば作業化してしまう感じになってきたので、心機一転でジャンルを移動しました。

移動した先のジョジョ5部では、ジョルノの黄金の精神のおかげで、私がペルソナ2で見えなかったものの片鱗を見ることができたように思います。
それは、「好きになったキャラクターと真摯に向き合う」ことです。
ペルソナ2が「本当の自分」をテーマにしているにもかかわらず、「淳ちゃんの脚の間のデルタ地帯」とか「この強風で淳ちゃんの白スク水が飛んでこないかな」とかそんな話ばかりしていたあの頃の私ィーーッ!!

 

ジョルノにも約2年を捧げ、これからも捧げていくであろうと思っていた矢先、女性向けで一大旋風が起きました。
「刀剣乱舞」です。
1年前のことなので、記憶に新しい方もいらっしゃると思いますが、とにかく世界が変わったかのように刀剣乱舞一色に染まりました。
私は性格上、メジャーなものにホイホイ乗れなかったので、このときは「あまりに刀剣乱舞の話しかないからTwitterもやめてしまおうか・・・」と思っていました。
そんな私を見かねた親友が、スカイプ中に「そうやって世間の波から目を逸らしてたら頭の固いオタクになるよ!今すぐ登録しろ!」と喝を入れてくれ、私は渋々登録し・・・
現在の私です。

現在進行形で専攻している薬研藤四郎単体萌えは、あまりに好きすぎて2ヶ月間自分の絵で描けなかったということはありましたが、これまでのカップリング萌えというところから逸脱して、「彼自身の物語を想像して描く」ということが楽しいです。
ペルソナ2の頃にできなかった、「キャラクターに真摯に向き合う」ことが、ようやくできた気がしています。まったく興味のなかった日本史にも局地的に詳しくなりました。
表現することそのものが楽しい、というかんじで、どんな話を描こうか毎回ワクワクします。

 

なんというか、この10年があったから今の私がここに立っているような、そんな感じがします。

もっと人に気軽に言えて、家族が安心するような趣味を持ちたかったなあなんて言ってみても結局好きなことは曲げられないし、そのおかげで得たものもとても多いのです。

ジャンル友達がいない時期もあったし、1冊も売れなかったこともあったし、書店の審査は蹴られまくっていたし、交通費は四捨五入で毎回10万円は飛ぶし、コミケの朝は早いし、ネットで悪し様に言われまくってたこともありましたし、友達と出会いと別れを繰り返し、親に迷惑をかけたこともあったけど、それでもやめたいって一度も思わなかったのは、好きなことだからというのと、周りのひとたちと、私自身の体の健康のおかげです。何一つ欠けても成り立たない趣味なんだなあと実感しているところです。

こんなにあらゆるスキルが必要とされる趣味も珍しいので、今続けられる環境にいる方は幸運なんだと思います。
あと、同人でできた友達は気が合えば人生の半分以上をつきあえるので…是非、勇気を出して友達を作ってみてほしいです。
いつまで続けられるかわからないけど、私も環境が許す限りは続けていきたいなと思います。

ついでに10年間で出した本を撮ってみた。何冊あるかわからない。。。各ジャンル平均で10冊前後ってところでしょうか。

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ここまで読んでくれた方がいたらありがとうございました。目下は7月の芸カと8月の夏コミなので、原稿頑張ります。