刀絵図…それは本阿弥光徳による秀吉の所蔵していたとされている刀を実寸大で簡単な紹介とともに図説してある資料。
現存している骨喰&鯰尾はともかく、刀のレジェンドとなっているアニキに関してはこの刀絵図の展示は、当時のアニキを知ることの出来る貴重な機会なのです。というわけで、いってきました山口県まで!これを見に!!
どうですかこの紹介…もう完全にアニキが毛利博物館の営業部長みたいになってます。アイカツ頑張ってるね!
で、まさかの粟田口特集ということで…

20150516

刀絵図は第2資料館にあります。

渡り廊下の先にあるのですが、この先にアニキの生グラビアというやつがあるのかと思うと気が遠くなりそうでした。
現物を目にしたときも、やっぱり胸がいっぱいになりました。
これまで、本阿弥筆のアニキは他の本でも見たことがあったんですが実寸大というのはこれが初めてで…
ああ、なんという、無駄の無さ。
他の藤四郎は茎(なかご)なり刀身なりそれなりに装飾があったり刃文がちょっと個性的だったりするんですが、もうアニキに至ってはマジでシンプル。装飾はおろか刃文すらも直線で入っているのみで、樋もなく、目釘は一つだし、でもしっかり吉光の銘は入ってます。
まさにデザイン化された吉光。粟田口吉光は琳派に通じるものがある、という話を見たことがあるのですがまさに琳派の無駄のないシンプルなデザイン性と美しさをそのまま短刀にしたら薬研藤四郎になるのだろうと思いました。海外のブランドで言えばHERMESの美しさに似てますね。
キャラデザをされた石商先生がこれをご覧になった上で造形されたのかはわかりませんが、ほんとに刀剣乱舞のアニキのイメージそのまんまってかんじでした。

他に確認できたのは骨喰、鯰尾、一期一振、包丁藤四郎。あと新身藤四郎かな?アニキの下にももう一人茎に藤四郎って彫ってある兄弟がいましたが何せ昔の文字なので筆記体どころかただの曲線で読めなかったんです…
いち兄はほんとに見切れてました笑 でも原寸大ってことはかなり大振りなんですね。すごく堂々としたお姿なんだろうと思います。御物だから公開されないかなあ…見てみたい。

ちなみにこの刀絵図はアニキに薬研という号がついてから102年後のものです。
おまけに織田信長が切腹に使っちまったせいで再刃されたアニキの絵図なので、薬研を貫通させた全盛期のアニキの姿は永久に歴史のミステリーに隠れて、絵ですら見ることはできないというロマンがあります。

最近、光忠が発見されて公開、ということになったみたいですが、私個人的にはアニキは行方不明のままでいいんじゃないかなと思ってたり…
おそらくあの刀剣乱舞の世界で審神者が出会うアニキは現存しない鉄の刀身ではなく、政長さんの命を守ろうとしたあのときのアニキの心に出会ってるんじゃないかなーと思うからです。形が変わろうと再刃されようと焼け身になろうと、変わらないままの心の形に出会えるんだったらそっちのほうがより本当な気がするんですよね。

以上、刀絵図を見に行った感想でした。
もう、まず毛利博物館&毛利庭園は門からすごい。鶯の声とか聞こえてくる。(大包平とは鳴いてない)
博物館の入館料は1000円。いわゆる普通の博物館を想像してたら、なんと靴脱いで毛利さんちにお邪魔しまーす状態でした!びっくりだよ!!ほんとに中散策してOKだし写真もOKだし資料過ぎる広くてきれいでこんな本丸に住みたいと思う…これは勝ち組の本丸やで……
庭もお屋敷も本当に素晴らしくて、こんな機会がなかったら行くことはなかったわけでそういう意味でもアニキありがとうです。
人出は土曜日に行きましたが全く混んでません。私が刀絵図の前にいたときには同行人以外誰もいませんでしたし。おかげで見ては離れ見ては離れしても全く不審がられることはなくてだな!!ちょっとだけ団体の観光客が来るくらいかな?
展示は来週の日曜日までだそうなのですが、行って損ないと思います(^▽^)