コミカライズを担当させていただいております
「無能は不要と言われ『時計使い』の僕は職人ギルドから追い出されるも、ダンジョンの深部で真の力に覚醒する」
原作:桜霧琥珀先生 イラスト:福きつね先生
THE COMIC 1巻が2023年12月27日に発売されました!
やったー!!
人生初の商業、連載、そして単行本。紙でも出していただけてありがたい限りです。
いわゆる「コミックス作業」というものに憧れていた私は、ウキウキとその時を楽しみにしていました。
が、しかし。
コミックス作業とは、予想以上に大変な作業だった・・・・・・・・
たいへん!その1
表紙に2週間かかる。
こんな感じで表紙案を4〜5点ほど、ラフで編集さんに提出します。
編集部内でも意見をいただき(ありがとうございます)最終決定されます。
キャラクターは「シクロ(主人公)のみ」。衣装は今のかっこいい衣装に着替える前の状態しかコミックスに収録されないため、シンプルなシャツとベストとパンツという状態が指定されました。
1巻の表紙ということで、なろう系のコミカライズの表紙を本屋さんをハシゴして見に行きました。
ところが、予想以上に1巻からヒロインが登場しているため、女の子と一緒にいる表紙が多い。
「時計使い」はその辺りが少々特殊で、ヒロインのミストちゃんは2巻から登場することになっています。かといって、他に登場する女の子キャラの妹のアリスや幼馴染のマリアなどは出てくることは出てくるのですが出番が少ないです。
一人で頑張る物語の進行上、シクロくんのみの場面が多いのでした。
そして、ローアングルは初見の読者さんに威圧的な印象を与えるのでカメラは正面からにしましょう!ということで、ラフがこちらになります。
ここまでで約5日。イラストレーターさんの苦労が偲ばれます。
そこから、カラーの背景を塗って、ペンを入れてキャラを塗って、完成・・・とはいかず、そこからさらによりよい表紙になるための修正が入って今の形になりました。
ガチで2週間かかりました。
そしてそんな苦労を経て、プロのデザイナーさんがロゴなどを入れてくださったカバーサンプル(こちらは掲載できなくてごめんなさい)は、それまでの大変さが吹き飛ぶくらい嬉しいものでした。
たいへん!その2
本文の修正がとても多い!
作家さんによっては直さずそのままという方もいらっしゃいますが、私の場合はめちゃくちゃ直しました。
じつは、連載当時の時計使い1〜4話は、コマ枠がちょっと幅狭くなっています。
これはクリスタの設定を直さなかった私が気づかずそのままにしていて、編集さんに言われて気付いたものです・・・
なので、150ページ分くらい?コマ割り直しや、内枠よりも外枠にはみ出ているセリフ(単純に読みづらい)、無駄な斜め切りのコマなどとにかく直しました。これがリスト。
ほかにも、キャラの顔が可愛くないので直したりしました。
本文修正については、担当さんから「時間がかかるので早めに進めておくといい」と言われていたのでちょこちょこやっていましたが、本当に・・・やっておいてよかった・・・時間が足りなくなるところでした。
楽しかったこと!
描き下ろし
商業コミックスを買った時に、おまけまんがやおまけのページに絵があると嬉しくなりませんか?
自分の単行本でも絶対やりたい!と思っていました。
コミックスの台割自体は早めにできていたので、当初はそのつもりだったのですが・・・
台割初期では、本文のキリが良すぎて書き下ろしが1ページしか入れられない、という状態でした。
なんとかなりませんか?と泣きついたら、ページを増やしてもらい、ブランクページのおまけや描き下ろし、後書きの漫画などを入れられる状態にしていただけました。
1巻では、キャラクターの設定資料6キャラ分+ブランクページのおまけ3点、後書き漫画を描きました。
おまけ漫画よりもキャラ設定の方が読者さんに親切、ということで設定のほうを載せております。
カバーの袖のところによくある著者近影も描きました。
この作業は楽しかったです!まあ、締め切りに猶予はあんまりなかったのですが・・・笑
書店特典描き下ろし
書店の特典描き下ろしにもなんとなく憧れがあった私は、2店舗くらいあればいいな、と思っていました。
11月分の原稿を早々に提出し、京都で源氏ランドを満喫していたところ担当さんからご連絡がくる。
「1巻なので書店特典は多めです」とのことでした。結果
カラーイラスト2枚
モノクロイラスト5枚
計7枚を描かせていただきました!これもまた毎日締め切りが来るようなタイトな締め切りだったんですが、もうこうなったらやるしかない・・・・人生初の単行本ですから!
以上が、単行本作業1冊分のあらましでした。
世の中の漫画家さんは、全員この大変さを乗り越えて単行本を出されているのだと思うと、本当に尊敬です。私も乗り越えました。2巻もがんばります。
そして、「無能は不要と言われ『時計使い』の僕は職人ギルドから追い出されるも、ダンジョンの深部で真の力に覚醒する THE COMIC」どうぞよろしくお願いいたします!