若小間語り


以下は、2005年の海の日に日記で語った若小間語りです。
新鮮な語りを味わって頂きたい為、内容の修正は一切ありません。



◆はじめに
若小間を一言で言うなら、パラダイス。哲学的に言えばパライソ。海神様に守護されたアトランティス。まさにそんな感じです。
3番目のたとえはどうか、という感じですが、私にとっては、若小間に対して重きを置いているのはトロイのほうです。といっても、トロイのほうが好きで、都合のいい相手として小間使いちゃんを添えているんじゃなくて、小間使いちゃんの境遇その他を自分の目で見て、脳内で妄想し、この人だ!!と思ったのがトロイなのです。

◆外見上の若小間
ええそりゃあ最初は顔から入りました。31歳、軍人、クール系、黒髪、堅物、一人称「私」!最高だお前!と思いました。二次創作暦は10年になりますが、今までで最高の攻キャラです。悪いところがない。小間使いちゃんもです。いやなところがない。今まで愛してきた数多くのカップリングは、現在進行形のものも含め、ちょっと、ここはどうかな〜、と思う所が少なくとも1ケ所はありました。それらも、愛でカバーしてきましたが、若小間にはカバーの必要がなく、ありのまますべて我慢せず、萌えることができています。
トロイは、元がかっこよいので、描く時にも書く時にも非常に苦労しています。ただの端正な顔だちの美形大人キャラを描いたのでは、なんか違う気がします。目つきの鋭さは基本ですが、他にもトロイの持つ性格上の特徴(これは個人によって感じ方が違うと思うので省きます)や、体格、内面、外面の強さ、(トロイの弱いところに関しては、この人は弱さも強さに変えることができる性格だと思うので、特記しません。)そして、これは若小間的には重要なポイントですが、実は優しい&結構熱いところがあることを忘れてはならないと思いながら描いています。
それは小間使いちゃんも同様で、ただカワイイだけの17歳妖精:笑 を描いたのでは、妙に納得行かない。オフィシャルの立ち絵のような、内面からにじみ出るようなエロさと悲劇性、その境遇から、小間使いちゃんが今まで内面に積み重ねてきたであろう負の感情、自主的に押し込めてきた弱さ、それら全てを自分の奥に閉じ込めて戦うことのできる強さ、そういったものが感じ取れるように、かつ、中性的ではあるけど100%女の子に見えないように、そういう小間使いちゃんを描くのはとっても難しいです。とくに私の場合は、中性的な子を描いていると、いつの間にか女の子になっていることがとても多いので…個人誌でも、何度も描き直す回数がトロイより多かったです。

◆若小間のつながり
さすがに私でも中身がついていかなきゃここまで好きになったりしません。若小間の間にあるつながりは、実はとっても強いんじゃないだろうかという思い込みから、今に至ってます。
まず、本編でたった2つしかない二人の接点。
発売前、仲間になることを切に望んでいた私は、この少な過ぎる接点でかなり凹みました。でも、回数でいえば少ないけど、濃密さで言うならかなり濃い接点だと思います。箇条書きにするとこうです。

前編
1 騎士になったその日に、敵国の英雄トロイの話をグレンから聞く。
2 とんでもない罰紋を継承してしまい、冤罪で流刑、ドン底な状況で「偶然」トロイに出逢う。
3 正体がばれて戦闘になり、あわや殺されかけたところで、トロイは主人公達を見のがす。多分、この時のトロイとコルトンのやりとりを、主人公達は聞いていないと思う。
4 トロイ、わざわざ船べりで主人公達を見送る。見つめあう若小間。発売前ではここで、罰紋のテーマのクライマックスが流れたので、今でも罰紋を聞くとどうしても目に浮かびます。
5 トロイから目が離せない主人公。トロイはここで、主人公に「行け」と合図。ここから、ただの冷酷軍人じゃないところが伝わってきますね!(忘れてるけどね!)

ただでさえ、団長に指針として示され、名前だけでも印象の強かったトロイに現実に出逢い、あまつさえ、故郷の人間達にすら蔑ろにされた自分の命を救われた。 主人公にとって、このことはかなり大きな出来事だったのではないかと思います。そのことが、トロイに対する奇妙な執着→恋とか愛とか、に変化していくのは、若小間的に自然な流れです。
トロイにとってはどうかというと、まるっと忘れている辺り、どうでもいい出来事だったのでしょう。でも、そこで凹んではいけないところです。なぜなら、トロイは思い出すからです。後編いってみましょう。

後編
1 第一艦隊敗北後、何の会話もなしに見つめあって即、一騎討ち。
2 「お前には私の動きは読めぬ」などと言う癖に、トロイの台詞は読みやす過ぎる。ほんとにやる気あるのか?
3 一騎討ち終了後。トロイは、主人公が何か言いたげなのに気付き、表情を変えます。主人公は、逡巡の末の「…一緒に行かないか?」もしくは、突き放すように「決着はついた」を言います。
4 どっちの選択肢でもトロイはそのまま沈みます。ですが、つらつらと長広舌を披露する彼の口調は、無理をしている可能性もありますが、とても体力的に衰えているように聴こえません。むしろ元気そうだ。本当に、お互い殺すつもりがあったのでしょうか?
5 「決着はついた」の場合。通常ならば、沈みかけている第一艦隊艦長が、一人で挑んできたなら、その意図はどうあれ、軍全体をもって拘束するでしょう。でも、主人公はあえてそれをせず、トロイの、せめて武人として、最後まで戦って死にたいと言う願いを汲み取り、自分だって疲れているのに、トロイの我が儘をきいて一騎討ちに臨みます。主人公自身にも、かつてグレンをして最強の騎士団員だと言わしめたトロイと、戦ってみたいという気持ちもあったでしょうけれども。そして、トロイはそんな主人公に、最後まで武人でいられたことを感謝します。この気持ちは、「一緒に〜」を選択したとしても、トロイの中にあったと思います。
6 「一緒に行かないか?」を選んだ場合、トロイは「いずれまた、この海で会おう」と、主人公だけを、いいですか、主人公だけを!見つめて言います。これは、自分が主人公に対して、初めて武人として認められる相手だと思ったからこそ出た言葉なのでしょう。負け知らずのトロイだったからこそ、自分を破った主人公は、今まで彼が接してきた人間とは一線を画し、彼の中での特別な存在になりえたのです。
ちなみに、トロイの性格上、プライドはマッターホルン級です。認める相手=自分より強い相手、愛する相手=庇護慾をくすぐる相手、っぽいです。
まず強さを見せつけられ、次に出逢った頃には弱さを知り、なし崩し的に主人公にハマっていきそうなトロイではあります。
7 そんなトロイの脳裏に、走馬灯のように過去が蘇ります。主人公との出会いの所です。彼らを殺そうとした所、それから、見送ったところ。見つめあうシーンもバッチリです。しかも、BGMは「罰の紋章」ピアノ版。そこでようやく気付くトロイ。「そうか…あの時の…」
ここで、前編でのど忘れが生きてきます。もしこののち、再会を果たしたなら、主人公はトロイにとって、どんな存在になっているでしょうか?少なくとも、記憶喪失にでもなっていない限り、彼が主人公を忘れているなどということは、二度とないでしょう。
8 そして、船は沈みます。その様子を、いつも通りの表情で見据える主人公。リノが「命を粗末にしやがって」と言った時、なんと主人公は、目を伏せます。あの表情のない主人公が、かっての親友に何度もば倒され、裏切られても、カタリナにいびられても、罰紋を使え=命削れと言われても、表情一つ変えなかった主人公が、悲しそうに目を伏せるとはこれいかに!?
9 エンディングの後、主人公は小舟で海に漂っています。バッドでもベストでも同じで、この解釈はそれぞれですが、私は両方とも、オベルを離れていったのだと思います。
ベストでは、オベルに還った解釈もありですが、もし甲板にいる人物に気付いてほしいなら、片手でなく両手を振るはずです。あれは、別れを現しているのではないかとみています。まして、オフィシャルで寡黙という設定が出ている以上、主人公が、紋章が許しの時期に入り、自分が死ななくなったことを誰かに吹聴するとも思えないし、紋章を狙って、ハルモニアあたりから刺客が来るとも限りません。(このあたりは、ラマダかケイトあたりから聞いてそう。)だから、主人公は一人で海に出ます。


さあここでキャッチフレーズです。「108人の待つ海へ。」
幻水シリーズは、IIIをのぞく全てが、主人公=プレイヤーという概念です。そうすれば、海で待つのは、天魁星の自分を除く107人。
では何故、108人なのか?「最後の一人がいるよ!」(byゴーゴー夕張)だからです。それが、海で会おうと言ったトロイです。
「108人目の待つ海へ」が、本当なわけです。
そして、主人公が真に求めるのは、残る107の宿星達ではなく、最後の一人ではないかと思うのです。

◆宿星について

せめて天暗星は選ばせてくれよと、今思えばスノウに大変失礼なことを思ったりもしました。宿星入り=仲間になれば、当然のように、二次創作的には美味しい接点はてんこもりになります。
私も、仲間になってくれたらいいのにと悔しさに涙で枕を何回濡らしたことか。仲間になることで発生する、常に本拠地のどこかで会える日常という枠に当てはめることでできる、甘えのようなものがあったのだと思います。1〜3の時はそれでもよかったのですが、4は少々かってが違います。私の受け止める主人公の存在意義が、3のゲドやヒューゴとは全く違うからです。
仲間は、所詮仲間でしかありません。それ以上にも、それ以下にもなり得ないのです、主人公にとっては。
確かに彼等は、群島諸国の統一を助け、共に戦った仲間です。目的を果たす為には、大事な存在です。この目的とは、クールークを排し、群島諸国を強化させることをさしますが、これは、主人公にとってのものだったのでしょうか?どちらかというと、主人公は、罰の紋章を継承したこと、生まれついた星、この二つの原因で、リーダーとして据えられていたに過ぎず、自主的に国を守りたいとか、クールークを憎み、これを倒したいとか、そのようには願っていないように見えます。いわば、ただ利用されただけ、にも見えるのです。
他の仲間達にしろ、エンディング後の主人公に対するリアクションは皆無です。目的を果たしたあとは、それぞれ自分のしたいように生き、主人公を探しに出るとか、主人公を見つけて一緒に暮らすとか、そういったことは誰一人としてしていないのです。
そのような事実がある以上、例えばトロイが宿星入りしていたならば、「一生を武人として過ごした」などと、当たり障りのない一文で一生を括られてしまうことも、考えられます。

◆つまり若小間って

主人公にとっては最初の出会いで、トロイにとっては最後の最後で、お互いがお互いに強く印象づける特別な存在になるには、やはり彼等は、戦いが終わったらはいさようなら、と別れる「仲間」という糸で結ばれてはならないのでしょう。
この特殊性があるからこそ、私は若小間が好きなんだろうなと思います。
むしろ、全てが終わったところから、若小間は始まるのです。
トロイは「群島諸国が憎いから」ではなく「クールークを愛しているから」戦っています。祖国を守るという抽象的な目的だけが彼の中にあり、敵郡の中の誰もを個人として見ているわけではないのです。主人公に対しても、戦争が一段落ついたときから、個人として認識するようになるわけです。
主人公の「一緒に行かないか」の、「行かないか」の部分が、この二人のその後を現しているように見えます。
捕虜として助けるつもりなら、「一緒に来ないか」と言うはずですし、流れ的にはこのほうがずっと自然です。けれど、あえて主人公が行くという言葉を選んだのは何故なのか。
それは、この戦いが終わったら、皆の元から去ろうという計画があったからではないでしょうか。
罰紋は、主人公が死ねば、すぐ近くの人間に移ります。誰かと一緒にいれば、その相手が次の継承者になる確率は、非常に高くなります。そのような危険性を知っていながら、主人公はトロイを道連れに選びます。これは、その目的がどうあれ、トロイが主人公にとって、ただの「仲間」や「敵」ではないことのあらわれなのです。
だからこそ、主人公は、はじめてトロイに向けた言葉で、そのように告げるのです。
が、そんな内状をトロイが知るはずもなく、「私を憐れんでいるのか?」と見事なまでの勘違いを果たしてくれます。間違っているのはお前じゃ!とツッコミを入れた人はきっと多いはず:笑 ですが、そんな壮大な勘違いのあと、トロイは主人公に、主人公が一番欲しいと思っていたものをくれます。
それは、約束です。
主人公は、バカな子ではありませんから、戦いが終わったら自分は必要な存在ではなく、むしろ要らない人間であることを、薄々わかっていると思います。また、孤児という境遇から、自分をどこか世界からはみだした存在であるようにとらえていたと思います。永遠の生を、なんの目的もなくただ、紋章の呪いと共に生きること、それを想像して、不安にならないわけがありません。また、もし死んでしまうとしても、たった一人で死んでいくことの孤独には耐えられないでしょう。
それを、「いずれ、また、この海で会おう」という約束をもって、トロイは払拭してくれます。
トロイは主人公にこう約束することで、希望を与えてくれているのです。
この状態は、最初に出逢った頃と酷似しています。お互い、それぞれの国の船の上で見つめあい、海に出るところなど。
それよりも似通っているのは、トロイが、いずれも主人公に対して無意識のうちに、彼に生きることを強いていることです。最後の約束の台詞とて、主人公と初対面だ(と、本人は思っている)うちに発せられた言葉です。
この、トロイですら気付かない無意識の行動が、実は主人公にとって重要な位置を占めているのです。むしろ、自分の中での主人公の存在を認識した上での、意図的な行動でないからこそ、若小間の出会いでよく使用されていた「運命」という言葉が生きてくるのです。
そして、主人公は、その約束を信じて海へ漕ぎ出します。
バッドエンドなら死に場所として。トロイが待っているかもしれないのですから。
グッドエンドなら再会の場所として。トロイが生きているかもしれないのですから。◆今後どうなっちゃうのかな
以上長々と、4をプレイした後の心境を語りました。本来ならこれで終わっていたのですが…
ラプソディアが出ることで、戦々兢々となってしまいました!!!しかもコンバートあり!?
う〜ん、これまでの語りが、ラプソにどう出てくるのか、非常に楽しみでもあり、心配なところです。できれば、再会を果たして二人で出てきてほしいですけど…
どんな形であっても、まだまだ描き足りないし書き足りないので、これからも続けていきます。こんなにのめりこんだカップリングってはじめて。語りなげえよ!
ていうか、若小間っていいよね〜を熱く語るつもりが、なんでこんな論文みたいになってんだろう。理解できぬ。

ちなみに、若小間愛ケイゾクの理由は、いつも素晴らしい文や絵で燃えあがらせて下さる若小間ラヴァーの皆さんと、若小間作品を楽しみにして下さる皆さんのおかげです。ほぼ7割以上はそれです。これからもよろしくお願いします。こんなところで言ってもな!
それでは、ここまで読んで下さって有難うございました。