文字数6000越えのアツいGHGR語り、始まります!フフッヒ(^▽^)
多分昨今では、5部のスピンオフと言えば恥パ!というかんじで、私も恥パはとても好きなのですが、GHGR(長いから略します)は、とてもいいんだな…!!

まず、表紙が描きおろし。このジョルノにはギターを持たせたくなるポーズ。しかもめずらしく髪をほどいてます。レアショットだと言うのにカメラ忘れたぜ!ってジョルノの右後ろにいるブ…人の表情にも注目。カバーを開くと同じ絵があり「きれいに切り取ってパスケースに入れよう」という親切設計。DIOさまの写真の上でいい?ついでにカバーも外してみよう。キャージョルノー///

次に本文。左下にくつろいでるジョルノのラフ画が全ページにわたって何故か配置。目次にも、キャラ紹介にも、さらに巻末のCMページに至るまで荒木先生によるジョルノのラフ画の見本市。ここまででもうおわかりかもしれませんが、完全にジョルノ画像集5部の主人公はジョルノなんだよって思い出させてく…あれっ何だか画面がかすんできやがった…「組織のボスを倒そうとするブチャラティとジョルノ」ってパスケースの上に書いてあるけどそんなの気にしないもんね。
荒木先生による5部当時の絵柄での描き下ろしの挿絵。今の絵も素敵ですけど、やっぱり当時の絵柄好きだなあ〜〜使い回しのカットも結構ありますが、大半描きおろしです。

この小説は当時、荒木先生と綿密な打ち合わせの元で書かれたお話だそうです。荒木先生も「黄金の旋風」攻略本インタビューなどでたびたびこの小説について「フーゴのその後の小説を書いてもらった」とふれているので、けっこう丁寧に打ち合わせがされた部類のスピンオフでしょう。ちゃんと小説内の台詞が「黄金の旋風」に使用もされています。
気になる内容は、まずアマゾンの評価など気にせずやっぱり自分で読んで確かめてほしいところです。なぜなら、読む人によってベネ!という箇所とベリッシモッ!という箇所となんで!?ってなる箇所があるからです。
このサイトの趣旨的にはベネ!なところだけ紹介していきたいと思います。
ネタバレが気になる人は要注意です。
※本文をそのまま引用する場合は(引用)と注釈をつけます。それ以外は私の稚拙な要約です。

・どこかの国の王子のようなジョルノはてんとう虫がお気に入りなのだ。
→控えめにいわなくてもダビデ像!学生服の色はグリーンに指定されている。左下にいつもいる。

・ちょっと見には女性のように見えると称されるブチャラティ。巨大なジッパーが只者じゃない。
→なにその「オーラが並じゃない」みたいなあーみん的な褒め言葉!?恥パでも「母親似」とされていたしもはや女顔は万国共通認識なのか?私個人的にはどう見ても父親似でイタリア人の男顔なんですけど…おかっぱヘアスタイルに騙されてるんじゃあないか?と思いますがたまに鬼龍院皐月様に見えるときがあるのでなんともいえない。その皐月様もwikiでは「男性的」とか言われててもう「なんだかわからないものがあるからこそこの世界は美しいのだ」という皐月様の主張にならって次いこう次!

・必死に「アバッキオが殴るんだよォ」と訴えるナランチャを放置して新聞を読むブチャラティに「何か気になることがあるんですか?」とナランチャの頭を撫でながら話しかけるジョルノ。
→朝の食卓のお父さんとお母さんのような微笑ましさ。ジョルノちょっとそこの醤油とってくれ。目玉焼きには醤油ですよねブチャラティ。そんな空気ですらある。

・割と一緒に行動しがちなブチャラティとジョルノ
→原作ではけっこう別行動だったので嬉しいです。

・池上先生と劇団ひとりみたいな会話を結構してるブチャラティとジョルノ
→「〜〜は〜〜ということですね、ブチャラティ」「いい質問ですねぇ!」というノリの会話を結構してる。やっぱり朝の食卓のお父さんとお母さんである。大体こんな感じで会話するけど、1回だけジョルノが振ったのに聞いてないときがある。まさかこれも計算のうちかブチャラティ。

・このサイト的には2番目くらいのツッコミどころ。
→敵の襲撃をうけ、全員亀の外に出ているなかアバッキオ、ナランチャ負傷!ミスタはボートを操縦中!そのとき、俺達の頼れるリーダーブチャラティの第一声がこちら。

「一旦、ここは退避だ!ジョルノ、トリッシュ!ここに!!」(ジッパーで逃げ道を開きながら)

アイエエエエジョルノ!?ジョルノナンデ!?

「ジョルノ、トリッシュ『を』ここに!」ならまだわかる。でもそうじゃあない。まずジョルノ最優先である。何はなくともジョルノ今日も今日とてジョルノ、それにつけてもジョルノである。そんな読者のツッコミをよそに『すでにジョルノとトリッシュをジッパーの中に引きずり込んだブチャラティ』(引用)とまだ追い打ちが続く。
勿論、ジョルノはそのあと自分からジッパーから出てミスタのサポートに行くんだけど、それなら最初からジッパーに入らなくたっていいのでは…

ここで、「スティッキィ・フィンガーズの素早さは超スゴイ」という点に思い当たった方はこう思うでしょう。『その素早さでアバッキオとナランチャを収容した後にジョルノ達に声をかけたのだ、ほら、いつものブチャラティじゃあないか』と…しかし、違うのです。
アバッキオとナランチャ、バトル終了まで甲板に放置。「今は気を失っているようだが、大丈夫そうだ」とブチャラティ。いやいや、結果オーライだけど敵スタンドはめっちゃ狙撃型ですよ!?動かない的を二つも甲板に転がしておいて大丈夫もなにもないだろっていうか余裕あるだろう収容してやれよォ!!
しかしそんな状況を誰も突っ込まずトリッシュは「よかった…」(いいのか?)ジョルノ「いや、これからが本番ですよ」(もうジョルノがブチャラティの行動に一切異議を唱えないのは慣れました)
だからあえて一読者である私が言う。こんなの絶対おかしいよ!!

・2人でサン・マルコ寺院へ赴くジョルノとブチャラティ
→現代医学でもGEでもどうにもならないジョルノ病が治らないので加持祈祷に来たわけではない。戦いにきたのです!原作でかなわなかった共闘がついに実現!!

・『しばらくすると、ふたりは、礼拝堂に続く巨大な扉に辿り着く。目を交わし、扉に手をかけるジョルノとブチャラティ。』(引用)
ケッコンカッコカリかと見まごう表現です。どっちが娘でどっちが提督かはこの際どっちでもいいですがしかもこのあと「1、2、3!」と2人同時にかけ声を掛けて扉を開けるといういともたやすく行われる原作ではあり得ない暴挙に。ベリッシモッ!!そしてさすが2人でいるだけの事はあって顔を見合わせたりいっぱい会話したり ディ・モールト!ディ・モールトいいぞッ!!

・と、思ったら巨大ウサギにいいようにされるブチャラティ。
→巨大ウサギ対ゾンビ。B級臭半端ない…
「吐き出す息が熱い」等、繊細な絵を描く女性達がぐっと来る表現も使用されているので重要な見所です。
でもたしか死体だから息切れとかしないはずでは…しかも荒木先生の挿絵で出血してるぞ?生き返ったのか??バカなッ!そんなバカなッ!!ブチャラティ!!
…あ、そういえばこれ、スクティツ戦のあとに数日間ヴェネツィアに滞在してるっていうことになってて…「4日間も同じ服を着てる」というトリッシュの台詞から、3日間滞在していることがわかります。
ブチャラティ、もう死なないんじゃない?と思わずにいられない。そういう意味でも目出度い小説です。

・まだまだ続くよ!ジョルノとブチャラティの共闘シーン
→黒幕を追いつめる場面の流れ、どこかで見たと思ったら、TRICKの上田と山田だァ−−−−!!!!!

20140524-1

顔を見合わせて笑い合ったりするといういともたやすく行われる原作ではあり得ない暴挙がここでも。ヴェネツィア滞在中に何があったのか…ブチャラティの言葉をジョルノが継いだり、敵キャラがベッドを2人の前に放り投げたりとやりたい放題であります。本当に荒木先生チェックは入ったんですか…?
ちゃんと共闘っぽいシーンもあります。その戦い方は言ってみればさるかに合戦からのふたりD4C。これはたしかに正義の主人公っぽくない。しかもトドメは主人公のジョルノを差し置いてブチャラティ。しかも「アリアリ」を最後に盛大にかんでいる。これも計算のうちかブチャラティ。
ただここで疑問なのは…ジョルノがパープル・ヘイズのウイルスに耐性があるのはわかる、でもなんでブチャラティに関しては何の説明もなかったのか。ということです。死んでても動くよね?ウイルス効くやろ?腕だけしか感染してないっておかしくない?ザ・キュアーは死体の治療も可能なの?まあそんなことをいちいち気にしてたら先に進めないのだった。「男顔に見えるのに女顔と言われる問題」もまだ解決してはいないのに。

・唯一見せ場っぽいGEのシーンの挿絵が使い回しだけど千葉県カット
→さすがジョルノ大好きGE!!かわいいから全て許される!!しかし小説内では「金色に輝く男」となんだか景気がいい表現をされている。きんいろにかがやくおとこ・・・もっと文学的な表現でよろしく頼むよ!攻撃している相手に全くパンチが効いてないという安定の破壊力Cにもにっこりします。

・真っ白な羽毛の舞い落ちる中たたずむブチャラティ
→こなあああああゆきいいいいいいいいのPV撮れそう。これも計算のうちかブチャラティ。

・コニーリオ(小説のオリジナルキャラ)にめっちゃいい台詞を言うジョルノ。
→と、バッチリそれを聞いているブチャラティ。最後には一緒に聖堂を出て行きました。このあとに共闘して黒幕を倒し、サン・マルコ寺院のバルコニーに2人でのぼったりする。これも計算のうちかブチャラティ。

・夜のサン・マルコ寺院のバルコニー(参考)などという超ロマンチックな場所で2人っきりで運河とか船(ヤッパリミントカンデル・フーゴ)とか見つめてるジョルノとブチャラティ
→あれ?合流してたミスタは?ブチャラティの描写が名前しか無いあたり、多分それにつけてもジョルノモードで一杯なのだろう。この時のブチャラティは巨大ウサギに攻撃されてスーツがボロボロだそうであり更にこの後暗転です。これも計算のうちかブチャラティ。
エンディングテーマにこんな曲が流れそうな勢いだぜ……

ジョルノとブチャラティ以外のキャラとかも見所がいっぱいです。

・トリッシュ=サン
→髪が緑。何故かジョルノにさん付けで呼ばれるトリッシュ。潔癖性なのに4日間も同じストッキングを穿かされているというのはかなり辛そうなのでナランチャは早く新しいストッキィンを調達してあげてください。

・アバッキオの真っ赤なルージュ問題
→せめて原作のように黒にしてやってくれええー!!!!金髪設定。フーゴもそうだしもはやジョルノの金髪が有り難くない世界に…

・これだけは言いたい、トーキング・ヘッドは裏切りチームじゃないです!
→栄誉ある親衛隊ですうううう!!!ただの「刺客」だけにしとくかせめてわければ良かったのに…

・ミントクイマクッタ・フーゴだけどかっこいい
→ただのミントのはっぱの香りが部屋に充満するまでミントノハッパクッテタ・フーゴですが表記がめっちゃ金髪美少年で何だかおもしろ…いや面白いです。面白いだけではなく、このフーゴはちゃんと黄金の精神を持ってて、ちゃんと頭脳派で、敵も味方もうまいこと利用するしたたかさもあり、影でジョルノ達をサポートし、ボートに乗らなかったことを後悔もしておらず、前を向いて道を選び取る勇気も持ってます。「ミント!噛まずにいられない!」と思うほどの精神状態だったと思えばミントクッタもなんだかかっこいい。

・ミスタの昔の男登場
→『何度か激しい言い争いがあって……、でもそれだけだった。朝、起きたら、あいつはいなくなっていた。』(引用)
専門外なので深く考えたりはしませんが、おお、ミスタよ、せっかくブチャラティが┌(┌ ^o^)┐に襲われないように助けてあげたというのに………†

・カッコつけたかったんだよ、トリッシュの前で
→ミストリ冥利に尽きます!!しかもこのあと、アバッキオとナランチャは気絶、ジョルノとブチャラティは2人で戦いに赴くので2人きりですやったね。

・ラストの挿絵
→5部のキャラで、こういう笑顔で笑うキャラは誰もいません。護衛チームはもとよりトリッシュも、いつも張りつめた表情をしてるからです。でも、荒木先生の手でこういった表情のキャラが描かれることで、ほかのキャラクターの表情も思い浮かべることが出来ます。貴重なシーンです。でもどっちかというとジョルノとブチャラティで見たかったです!あっそういえば顔を見合わせて微笑み合ってたんでしたっけ!!脳の処理が追いつかない。

・問題とされている「フーゴありがとう」のシーン
→ジョルノ自身ですら、道に迷う時があると豪語している中、フーゴのとった選択を責めかねるところもあったのかもしれません。誰も傷つけずにすむ道でないことは確かだからです。フーゴとチョコラータを混同して避難する声もありますが動機が全く違うので、そこは個人的にはちょっと違うかなと思います。

こんなかんじで、ジョルノとブチャラティ好きには天国な小説だったりします。これも計算のうちかブチャラティと何度でも言いたくなりますよ。そういえば、恥パでも舞ジョジョでも必ず語られていた「ウソ味」。この小説に限っては一切登場しません。でもこれまでの流れを読んで頂いたらお分かりのように、このブチャラティは汗を舐めたことすらマトモに見えるレベルでツッコミどころが多いのでむべなるかな、という感じです。

ジョルノは、恥パの気持ちいいくらいの上から目線ジョルノも好きですが、こっちのジョルノのほうがキャラクター的にはジョルノっぽいかな〜。原作の光り輝くような感じがあるので。左下にいつもいるしブチャラティを「君」って言わないし…
一番最初に出てくるプロローグの台詞はジョルノの台詞ですが、もうものすごくいいこと言ってるので全部読み終わってから再びプロローグに戻るとぐっときます。ジョルノのブレなさと決して完璧ではないあやうさが見事に表現されている名台詞だと思います。

真面目にどんなお話なのかを一言で言うなら「選び取る勇気」のお話だと思います。フーゴはボートに乗らずに陰で手助けする道を。コニーリオはその能力で他者を救う道を。ジョルノ達は、原作通り。
ただ、フーゴは離別、コニーリオはその能力故に孤独になってしまったけれど。ジョルノはブチャラティを「あんたはぼくの仲間になるからだ」とブチャラティを「選んだ」ことによって孤独ではなくなりました。『選択肢は多すぎて、世界はあまりに複雑だ』(引用)と世界を形容するジョルノが、ともに戦いの道を歩く最初の仲間としてブチャラティを選んだことに敬意を表したいッ!!そしてこのあと恥パのトリッシュ書き下ろしなどを読むとライフがメーターを振り切るのでとてもこのサイトのメインを目当てに来られている方にはおすすめです。

そんなGHGRの私的迷台詞セレクション。名台詞は是非ご自分で読んでその目で確かめてください。

・「ちょっとエキゾチックでしょ?」(ジョルノ)
→こんな事を言っちゃうジョルノがクール&ミステリアス&エキゾチックゥ♡これは積極的に使ってこう。

「完璧なんて言葉は存在しない」(ブチャラティ)
→ジョルノと微笑み合ったあとにこの台詞である。深い。

・「ぼくはみんなの専属医師じゃありませんよ」(ジョルノ)
→ブチャラティがジョルノにマラリアなんですが治りませんか?

「肝心のお前さんだけは裏切ったわけだからな!」(ブチャラティ)
→オマエ=サン…

「……君とは、こんな出会い方をしたくなかった」(フーゴ)
→コニーリオに。トリッシュ加入直後といい、恥パといいGHGRといい、フーゴのギャルゲ主人公ポテンシャルは護衛チームでもトップクラスですね!!

「何せあの坊やと再会できるんだからな」(リガトニ)
→ミスタ逃げてェェェェーーーッ!!┌(┌ ^o^)┐

・「大丈夫か、どこか怪我はないか?」(ブチャラティ)
→ジョルノに「一般人の少女(コニーリオ)が危ないので守って下さい」と言われると、歩いて近寄りこの台詞。シェフ・カワゴエのメインディッシュかよ!パープル・ヘイズに感染しかけてたとはいえいつものブチャラティでは考えられないヤル気のなさ。船の上での勢いはどうしたんだブチャラティ。これも計算のうちかブチャラティ。

こんなかんじです。ちょっとおかしいところもあるけど味わい深いよい小説だと思いますので、気になる方は是非。英語版も出てますよ。